2017年6月27日火曜日

enta da void

最近Lil Yachtyを初めてちゃんと聴いて、そのあまりのフレッシュな無っぷりに驚いた。クラウドラップ以降のUSヒップホップの流れを見ると、Lil B a.k.a. BASED GOD先生によって無の表現の極北が開拓され未だにその極北の荒野に打ち立てられたTHANK YOU BASED GODの旗がはためいている。ここ数年ミクステの乱発がだいぶ落ち着いてしまったBASED GOD先生に代わってハイファッションに身を包んだ得体の知れない若者たちが無の中のメロウネスをレペゼンし始めた。というのがYUNG LEANらSAD BOYS(あまりにも直球の無かつメロウなクルー名……)周辺の人たちであった。彼らはスウェーデンだが。無とメロウネスは表裏一体というか非常に親和性が高いのだが感傷とは何の関係もないところで無を煮詰めたら何もないところから狂おしいほどのメロウネスが誕生したというのは非常に興味深い。そして先日初めてLil Yachtyを聴いて無の荒野から漂ってくるメロウネスを表現するhiphopの系譜に思い至ったわけでR。彼らに比べるとタイラーザクリエイター率いるOdd Future一味はめちゃくちゃ音楽的に豊かだし無ではないと思う(タイラーの場合はファレル・ウィリアムスら先人たちへの憧憬とリスペクトが感じられるしパンク的な諧謔性も持ち合わせている)。Migosは出てきた当時ミクステをちょっと聴いてたくらいだけど、USのトラップシーンというのは無だけどメロウと言う印象はない……。サウスはメロウだけど。そして我らがKOHHは2010年代以降に蘇ったブルーハーツで無とは正反対の音楽だ。もちろん最高。とりとめのないことを書き連ねたが、Lil Yachtyを聴いて無から出たメロウネスという嘘から出た誠みたいな流れを実感してとても興奮したという話でした。Lil YachtyはAfter Da Boatというシーディーを聴きました。日本流通盤帯付き仕様だがdiscogsに載ってないのでよく分からない。

Lil B - I’m God
※7/4追記 BASED GOD先生ワークスの極北といえば2010年にリリースされた "Rain in England" というアルバムで、発表された当時は世界初のアンビエントラップ!という触れ込みで世界中の好事家たちを興奮させた。中身はニューエイジーなシンセやストリングスが鳴り響くトラックの上でひたすらBASED GOD先生のありがたいお話が続くというもの。震えるほどヤバいアルバムで絶対にフォロワーも現れないヒップホップの極北。
↓はそのアルバムからの1曲で他の曲も大体同じなのでヤバい。クラッシック。
Lil B - Birth To Life

Yung Lean - Hurt

Swaghollywood x Lil Yachty - Hollywood

0 件のコメント:

コメントを投稿