4月の末に納車になったパンダであったが、そこから1か月後の6月頭に遠出した際、高速道路に乗るときアクセルを踏んでもエンジンの回転数が上がっているのにスピードが時速90kmより先に加速しない、という症状が出た。
パンダのオートマCVTミッションが、アクセルを踏んでもシフトアップせず、ギアが滑っているのである。
この症状はオートマのパンダセレクタにあるあるの故障と言われており、CVTは普通のオートマの機構とは異なり、2つの円錐状のプーリーに渡されたベルトがアクセルの踏み込み具合によりプーリーの径を変えながらスピードを変えていくという無段変速の機構である。
作りがかなり複雑なため、CVTがだめになったら修理というのは基本的にはできず、別のCVTのミッションを持ってきて丸ごと乗せ換えるしか直す方法がないのである。
しかし。
パンダは古い車なので当然のごとくメーカーのパーツ供給は終了しており、中古のミッションを探して乗せ換えるしかないのであるが、それが出てくるのはツチノコを発見するよりも確率が低く、また見つかったとて正常に動作するという確証もなく、また乗せ換える場合もパーツ代込みで4~50万円くらいかかるという。
パンダのCVTが壊れたら、それは全ての終わりを意味する。
ギアの滑りを確認した私は気が動転してネットで調べまくってあらゆる整備工場へ問い合わせた。
しかし、無情にもどこの店からも「パンダのCVTの故障はパーツが手に入らないため修理不可・うちでは扱えない」との答えばかりが返ってくる。
ひどいところ (神奈川某所にある某店) では「まだ走るうちに売った方がいいですよ」と言われ、車を買ったばっかのやつにそんなこと言うか!?と思い、心底腹が立って絶叫しながら目の前のPCのモニターを破壊した。
しかし。
あらゆる店から修理を断られる。
とりあえず見てもらう、ということさえできない。
しっかり車を見て調べてもらわない限りは、ミッション本体がだめになっているということは判断できないのに。
私はミッション本体が逝っちまったのではなく、ミッション周りの不良、例えばCVTオイルを交換することにより直ったりしないか、ということに一縷の望みをかけていた。
奇跡的に茨城にあるパンダに強いお店から「うちで見るだけ見ることならできますよ」、という返答をもらい、腹部を鉄骨が貫通している状態で全裸でパルクールしながら手負いのパンダを運転し、常磐道を北へひた走って車を預けてきた。
「今整備が立て込んでいるので見積を出すまで1か月くらいかかる」と言われたので、家で全裸で正座しながら火球待機する。
パンダを買った店は全てがずさんで何の知識もない役立たずのごみくそ販売店なので、何も期待していない。
一応状況について販売店に連絡するが、車は現状販売のため補償はできない、と壊れたbotのように同じことしか言わない。こちらでもミッションのパーツを探してみますよ、などとツチノコ捕ってきますよ、と同等の実現不可能なことを軽い感じでただ言うだけだった。くそが。
ネットでフィアット愛好家の集う海外のフォーラムなどを調べまくったが、パンダセレクタのCVTは『die young or live forever』らしい。
私のパンダのCVTはdie youngしちまったのか?
そして7月11日の金曜日。
パンダを預けた茨城の店より修理見積の連絡あり。
・ドライブシャフトブーツ要交換 (3,500円)
・タイミングベルト要交換 (9,000円)
・ウォーターポンプ要交換 (25,000円)
・オートマオイルクーラーホース2本要交換 (9,000円 x 2 = 18,000円)
※括弧内は部品代・工賃はおおよそ10万円 (修理を進めていくうちにプラスになる可能性あり)
合計155,500円
・フロントブレーキの片効きでハンドルが取られる・フロントブレーキキャリパーの固着あり
・高速道路で試運転したところ、やはりオートマCVTのミッションが不良 (エンジンの回転数が上がっても加速しない・ギアの滑り) その症状を確認
※部品はもう出ないため中古のミッションを探して乗せ換えるしか方法がない
もし中古でミッションが見つかったとしてもそれが動作するかは確証がなく、交換するとしてもパーツ代含め4~50万円かかるだろうとのこと。
つまり事実上修理不可能。
その辺を走るくらいなら大丈夫そうだけど、とのことだったが、高速道路に乗れない車って何。
ミッション回りを155,500円かけて修理したところで、ミッション本体が逝っちまっている手負いのパンダである。
何の意味もない!何の意味もない!
私の頭の中の小島よしおが叫んでいる (小島よしおのカチョマンテ) 。
もし茨城のお店でこのパンダを引き取ってもらえるとしたらいくらくらいになるか、と尋ねたところ、やはりミッションがだめになっているので10万円、とのこと。
前のオーナーがメンテナンスを怠ったからミッションがだめになったんだろうね、とのこと。
車を買ってからのこの2か月半はいったいなんだったんだ。
夢?
今年も海へ行くって
いっぱい 映画も観るって
約束したじゃない
あなた 約束したじゃない
会いたい…
突如チカコ・サワダのクラッシック、『会いたい』の歌詞を挿入したが、パンダの終わりを告げられたときに脳内でこの曲が流れた。
このパンダで楽しい思い出をたくさんつくるはずだったのに。どうしてこうなった。
私が悪いんか?
っていうかパンダが入院している期間も長かったしその回数も多かったし、両手で数えるくらいしか乗ってないが?
何もあてにしていないが販売店に茨城のお店からもらった修理見積の内容と金額を連絡。
初めて買った車がこのようなことになり大変ショックを受けている、販売店として何か補償などしてもらえないのか。
そう尋ねると、「現状での販売のため、補償はできかねます」との返事。
現状販売現状販売ってよォー、それは魔法の言葉なんか?
現状販売の車を買ったこっちが悪いんか?
売りに出てたパンダの中で一番安かったのを買ったのが間違ってたんか?
普通のSUVとかワゴン車とかを扱ってる車屋の隅になぜか1台だけぽつんと置かれていたパンダを買ってしまったのが悪いんか?
海は死にますか?
山は死にますか?
くそごみかす販売店から車を購入した際、誤字のある請求書 (こちらの住所の漢字が間違ってる、車種がパンダセレtクター※原文ママ※になってる) を1枚もらった以外は何の書面も交わしていない。
いい勉強になった。
で済ますにはあまりに金額が大きすぎるし残念すぎる。
くそすぎる。
販売店いわく、補償はできかねるが少しでも春村さんの相談に乗れるように、負担を減らせるような協力をさせていただければとは考えています、とのこと。
パーツ代と修理代の3割を負担してくれるらしい。
だ・か・ら、さぁ~~~~、(GREEN) DA・KA・RAさぁ~~~~、ミッションのパーツ出てこないって言ってんじゃん。ミッション回りを修理したところで高速乗れないじゃん。
CVTの故障を放置すると最悪車が動かなくなるらしいし、ネットで調べても『CVTの故障は買い替え一択!』という元気のいい絶望的な文言が目に飛び込んでくる。
もし車を引き取ってもらうならいくらになるか、と聞くと、春村さんの心情を踏まえた上で、10万円よりは出せると思います、との返答。
現在金額の連絡待ち。
とんだピエロじゃねえ~か。
車買ってはしゃいでたら、2か月半で終了。
両手で数えるくらいしか乗ってない。
笑ってやってくれ。m9(^Д^)プギャーって。
消費者センターにも電話した。消費者センターから紹介された日本中古自動車販売組合連合会とかいうばかみたいな名前の機関にも相談した。
買って2か月乗った後だとだめ (補償はしてもらえない) かもしれませんね、という返答だった。まじで何の役にも立たない。
車好きの友人からは、とりあえずその販売店はくそだが、もう割り切って155,500円かけてミッション回りを修理して、そのパンダは街乗り用として使って清澄白河の喫茶店などに行ったりするだけにしたらどうか、というアドバイスをもらう。
何も分からなくなった私は、考えるのをやめ、とりあえず酒を飲むことにした。
※今回大分トリッキーな文章表現になってしまったが本来このような文章は自分で好きではないがライブ感を重視したためというかライブで書かないと書ききることができなかったためこのような文章と相成りました。
―続く―
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