2020年6月19日金曜日

2020年6月17日(水)・働くということ

朝起きてパンを食べ薬飲み出かける。朝食にバナナを食べたいのだが、いつも行くスーパーはいつ行ってもバナナが売り切れており、ここ最近は食べられないでいる。

午前中仕事をし、昼食にパンとドーナツを食べコーヒーを飲み、午後も仕事をする。後で振り返ろうとしても、その日に自分がどんな仕事をしていたのか、いまいち思い出せないものですね。

今でこそ時に真面目に、時に適当に働いている私であるが、幼少のころは自分の父親が毎日会社へ行き、一体そこで何をしているのか全く想像がついていなかった。ドラえもんやクレヨンしんちゃんやサザエさん等のアニメ・まんがの中で、父親のキャラクターたちが会社でデスクに向かっている絵面をよく見てはいたが、彼らの会社のデスクの上には電話が置いてあり、書類が置いてあり、ペンで何やら書いている。以上。という感じで、具体的にどんなことをやっているのか全く分からないので、それ以上想像のしようがないのであった。

時は進んで大学三年の秋、周りの人たちがリクルートスーツに身を包み、就職活動に勤しみだした頃になっても、自分はまだ会社で仕事をするというのが一体どういうことなのか全く分からないままであった。当時はコンビニでバイトしていたので、コンビニで働く人たちがどのような仕事をしているのかは知っていたが、スーツを着て、毎朝満員電車に乗っている人たちが、果たして会社へ行ってから何をどのように仕事をしているのか、全く皆目見当もつかなかった。

そんな体たらくなので就活で大いに挫折してしまい、就職が決まらぬまま大学を卒業、実家で暮らしながらレンタル・ビデオ店で働く『フリーター編』が始まるのだが、それはまた別の話。

最初に入社したドドドブラック企業でも、営業職として採用されたのだが、営業という概念自体がよく分かっていなかった。どうやって仕事を取ってきて、どういう風にそれを進めていくのか全く分からなかった。自分は新卒ではなく中途採用で入社したのだが、電話の応対の仕方も分からない自分を見て先輩社員は大いに呆れ、バイト雇ったんじゃねえんだぞ、というようなことを言われたのをよく覚えている。

この『ブラック企業編』で、何度もズタボロになって泥水を啜りながら働くうちに、会社で営業として働くというのはどういうことなのか分かったような気がした。

ブラック企業編が完結すると、次に『昭和の会社編』というのが始まるのだが、音楽業界などエンターテイメントに関係するような業種だと、辞めた会社と同じようにブラックなところが多そうだし、今度は安心して働けるような安定感のある会社に入りたいと思い、非常に地味な業種の営業職へと転職した。あれだけ過酷な労働環境で働いてきた経験があれば、どんなところでも働けるだろう、そう思って高を括っていたのだが、その自信はいとも簡単に打ち砕かれることとなってしまうのである。

その会社は営業が三人おり、毎日みなお客さんのところへ行き、商談なり打ち合わせなりして仕事を取ってきてそれを回しているのだが、自分は彼らが一体何をやっているのか全く分からなかった。まともな会社に入ったはずなのに、幼少のころに感じていたのと同様に、自分と同じ会社にいる人たちが一体何をやっているのか分からないという状態に陥ってしまったのである。

先輩社員の商談に同行したり、お客さんを引き継いでもらったりして、自分でも仕事っぽいことをしていたのだったが、自分で自分が何をしているのか根本的なところで全く分かっていなかった。

そこは年功序列が幅を利かすオールドスクールな昭和な体質の会社で、上司や同僚が全員プロ野球やゴルフが好きだったりしたため、話は全く合わないし、上司に対して忖度をしなくてはならないし、何か面白いことを言ったりしなくてはいけないし、そういったグレーな人間関係というのに対してひどく消耗してしまい、結果心を病んでしまった。そして自主退職を勧められるという体で、その会社をクビになったのであった。

ということで、自分で実際にスーツを着て会社員として働いてもなお、会社員というのが果たして何をしているのかよく分からなかった、という衝撃的な結末を迎えてしまったのである。

そして現在、時はすでに2020年になっているというのに、自分はいまだに人が会社で何をやっているのかほとんど分からないでいる。きっとこれからも分からないだろう。そして、そんなクエスチョンマークであふれた状態でも働いて給料もらえる今の会社と出会えたことは本当に幸運だったと思う。完。

ということで、この日も時に一生懸命に、時に超適当に働いていたのであるが、「今日も遅くなるから覚悟しておけよ」と社長に宣言された割に、昨日より早く帰れたのでよかった。

会社を出て350円弁当でお馴染みのチャイニーズレストランへ赴き、麻婆豆腐定食を食べる。この日の麻婆豆腐はやたら辛くて油っこくて難しかったが、全部美味しくいただきました。

帰り道、何の音楽を聴いてもしっくりこないモードに急に入ってしまったので、焦る。

とりあえず帰宅して風呂に入り、ドクターペッパーを持って川へ行き、風呂上りの身体を冷ましながらそれを飲んで、家に戻ってこないだ買ったMac Millerのアルバム『Swimming』を再生したら、全てがしっくりきたので驚いた。孤独でメロウで人懐こくて、感傷的で覚めてる音楽。ため息が出るほど素晴らしい……このアルバムに収録されている『Self Care』という曲のビデオがめちゃ好きなので、よかったら見てほしい!最高なので。

ブログを書き、歯磨き薬飲み、同アルバムを聴きながら眠る。